
顧客データの重複解消でマーケティング活動におけるデータ活用が可能に
飲食業界への研修・セミナーを展開しているH社さまのユースケースです。
長年、重複データに悩んでおり、社内リソースで解消しようとしていましたが、工数不足と重複が再発しない仕組みを作ることができなかったため、ご相談いただきました。
■お客様情報
業種:教育・学習支援業
従業員数:80名
導入ツール:Salesforce Account Engagement、SalesCloud,Sansan DataHub
サービス:コンサルサービス(2年)、顧客データお困りサービス(3ヶ月)
背景
コンサルサービスを開始当初のメール配信対象者は100名強だったが、月に2〜3回の頻度でメール配信をする中で、2年後には8,000名を超える対象者にメール送信ができるようになりました。
その反面、各種フォームからのお問い合わせやセミナーの申し込み、リアルイベントでの名刺獲得などで顧客情報を収集しても、管理ルールが整備されていなかったためSalesCloud上で取引先、取引先責任者に大量の重複が発生していました。
課題
- 顧客情報が重複しているため、正しい送信先にメールを配信することが困難
- 重複している顧客情報はマージ処理をしたいが、マージ方法に不安がある
- Sansan Data Hubを導入しており、重複データ発生の解明が複雑になっている
解決へのステップ
プレ作業として1ヶ月間は以下の作業を実施しました。
■作業の洗い出し
- 全データのバックアップ
- マージパターンの種類、件数の調査
- Salesforceの重複ルールのアップデートと新規顧客の登録ルールを策定
- マージ手順書の作成
- 判断が必要なケースの洗い出し、エスカレーション方法
- マージに関する影響度の確認
例)レポート、取引先、取引先責任者の所有者に懸かる影響。取引先の件数がKPIになっている。など - マージ範囲と件数の確定
■作業手順の確認
- マージ方法の検証、プレ作業
- ログの残し方、エスカレーションテスト
- 所有者への連絡ルール
■マージ作業
実際のマージ作業は3ヶ月間で以下の作業を実施しました。
- Sansan Data HubのSOCコードの重複処理(取引先のマージ):2,600件
- リード、取引先責任者の重複処理:1,500件
- 取引先責任者のアドレス確認:280件
- 住所を元に外部キー作成
- 既存データとの突合・マージ処理
■作業のポイント
①取引先履歴を残すフィールドを設置
いつ誰がどんな作業をしたかを後から確認できるようにフィールドを設置しました。
②マージ手順書の作成
作成したマージ手順書は実際のマージの際にどちらをマスターとするかのルールを記載。どちらをマスターとするか迷った場合は、エスカレーションし、その内容を都度アップデートしました。
例)
・会社情報が付いている方をマスターとする。両方情報が付与されていて、情報が異なる場合は最新の情報にアップデートする
・商談が付いている方の取引先をマスターとする。両方付いていた場合は多くついている方
・最新の活動を入力している人を担当とする
③Sansanの課題整理とエスカレーションルートを設定
・SOCコードの付与ロジックを理解
・SOCコードを手動で修正しても誤った情報で上書きされてしまう、別企業だが同じSOCコードが付与されている、などについてはSansanにエスカレーション
成果
・SansanのDataHubで「取引先名が異なるが同じSOCが付与されている」ケースと「名前が同じだが別企業」というケースについてのSOCの修正ができたことで、データの正確性を担保できるようになりました
・顧客データが正しくなったことで、届けたい情報を届けたい先にメールが送信できるようになり、営業活動の活性化、さらにはKPI、KGIなどレポートに関しても正しい数値で把握できるようになりました
■マージ処理件数
- 取引先:3,700件
- リード:200件(リードから取引先責任者への昇格:30件)
- 取引先責任者:1500件
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