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バウンスメールを紐解く

ハードバウンス

「バウンス」でメールが届かない

デジタルマーケティング(メールマーケティング)で成果を出すために、マーケターはタイトルを工夫し、本文の推敲を重ね、コンテンツと連動してメール配信を行います。
メール配信後は、何件開封されたか(開封率)、何件URLをクリックしてくれたか(クリック率)、何件配信拒否があったか(オプトアウト数)などを確認し、そのメールがターゲットに満足いただけたかをレポートなどで確認します。
その際、確認していただきたいのがバウンス(相手の受信サーバーに届かなかった)の項目です。

今回はバウンスに着目し、バウンス発生の仕組みと、解消法についてご紹介します。

※本記事では、Salesforce Account Engagement(旧Pardot)を例に紹介します。他のMAツールも呼び名が異なりますが概ね同じ考え方でOKです。

メール配信結果(ハードバウンス)
図1.メール配信後の結果レポート

図1.この例では、配信総数(577件)に対して38件のメール(メールバウンスレート6.59%)が何らかのエラーで配信されなかったという結果がわかります。

※メールバウンスレートの平均は5%前後となります。10%を超えるバウンスレートの場合は、IPレピュテーションを著しく損なってしまうので注意が必要です。

ご参考:Salesforce メール送信レピュテーションと到達性

※ここではメールが到達しなかった率のことをバウンスレートと記載しています。Webの直帰率(バウンスレート)ではありませんのでご注意ください。

メール配信の仕組みを理解しよう

では、どこでエラーが起きているのかを確認する前に、基本的なメール配信の仕組みを確認しておきましょう。

  • MAツールから配信したメールが相手の受信ボックスに届くまで
バウンスメール IPレピュテーション SPFレコード DNSサーバー MAツール

①予めMAツールと自社DNSサーバー間でSPF/DKIM認証を行っておく(セットアップ時のみ)

②メールの送信ボタンを押すとMAツールに配信予約される

③送信先の受信サーバーにメールが配信されると④受信サーバーがMAツールにSPFレコードを問い合わせる

⑤MAツールより登録されたSPFレコードが返答されると受信サーバーからメールが配信される。

⑥迷惑メールフィルターを通過すると受信者にメールが配信される。

操作する側はメールの送信ボタンを押すだけですが、その裏側ではこのような動きがなされているんですね。

  • ソフトバウンスの原因(一時的な理由により起こる配信エラー)
    では、ソフトバウンスではどういう動きをしているのか、なぜエラーになってしまうのかを確認していきましょう。

ソフトバウンスは一時的な理由により起こる配信エラーのことで、エラー原因によって次回のメール配信では問題なく配信されるケースもあります。

  1. メールサイズが大きすぎた場合に受信側のサーバーで受信拒否をされてしまうことがある
  2. 受信側のメールサーバーが一時的にダウンしている場合にバウンスするが、サーバーが復旧すれば配信される
  3. 受信者サーバーには無事に到達したものの、受信者のメールボックスがいっぱいで受信できない、この場合は受信者が空き容量を増やす必要がある
  4. 受信者側が何らかの意図をもってブロックしている可能性がある
  5. ブラックリストに登録されている可能性がある

1〜3はこちら側で何か対処できるわけではないので、様子を見るしか方法がありません。

4、5については後ほどご紹介します。

  • ハードバウンス(恒久的な理由による配信エラー)

続いて、ハードバウンスではどういう動きをしているのか、なぜエラーになってしまうのかを確認していきましょう。

ハードバウンスとは恒久的な理由による配信エラーのことで、ソフトバウンスのように一時的な問題ではないため、原因を究明し解決する必要のあるエラーです。

  1. メールアドレスが存在しない
    そのメールアドレスの使用者が退職しているなど、使われていない可能性がある
  2. メールアドレスの一部に誤りがある
    フォームなどから流入した場合に、メールアドレスを間違って登録したケースが考えられる
  3. スパムメール、迷惑メールと疑われた
    受信サーバーでフィルタリング機能を設けている場合、スパムメールや迷惑メールと疑われ送信されなかった
  4. 迷惑メールフィルター
    受信者の迷惑メール振り分け機能で迷惑メールと判定された
  5. 単一IPアドレスからの大量配信
    単一IPアドレスから大量のメールが配信されているとスパムメール業者だと疑われる可能性がある。また、そのIPアドレスを使用している他のテナントがスパムメール業者と認定された場合にIPアドレスがブラックリストに載っている可能性がある
  6. メールに不適切なワードが入っている
    メールの件名や本文に迷惑メールと判定されるようなキーワードが入っている。ビジネスメールでは使わないと思われるが、アダルト系のワードや「無料で稼ぐ」など迷惑メールにありがちなワード、過度な記号による装飾、フリーの短縮URLなども信頼性が低い
  7. IPレピュテーションのスコアが低い
    IPアドレスの評判や信用に値する指標のことで、エラーアドレスに継続的にメール配信を続けている場合などにスコアが低下する。スコアが低いと迷惑メール業者と判定される
  8. メールドメインのSPF/DKIM認証をしていない
    SPFやDKIMの設定をしていないと、なりすましメールの可能性を疑われたり送信ドメインのメールが正規のサーバーから送信されていないと判断される
  9. 購読解除リンクの記載がない
    購読解除(オプトアウト)のリンクがない、もしくは表記が分かりづらい場合も迷惑メールと判定される。MAツールを使用している場合は購読解除リンクの記載がないと、そもそもメール配信ができない場合が多い

バウンスメールを解消する方法

ここからはバウンスのエラーの種類別に解消方法をご紹介します。
まずはSPF/DKIMの設定ができているかを確認してください。SPF/DKIMの設定ができている場合、次に確認するのがブラックリスト(SPAMリスト)にIPアドレスが登録されているかどうか? です。

ブラックリスト(SPAMリスト)の確認方法

  • ブラックリストの確認方法
    ブラックリストに登録されているかを確認するために、IPアドレスを調べておく必要があります。Account Engagement(旧Pardot)の場合は、以下の方法より確認できます。

    「Account Engagement 設定」より「アカウント」タブを選択。もしくは画面右上の歯車の「設定」より「アカウント」タブを選択してください

    送信IP:xx.xxx.xx.x(Shared)

このXX.XXX.XX.Xが送信IPアドレスです。

ブラックリスト(SPAMリスト)のサービス

サービスはいくつもありますが、代表的かつ効果が高いものを3つご紹介します。

  • Spamhaus
    SPAMメール送信元をリスト化し公開している組織
  • MX Tool
    複数のスパムリストの串ざし検索ができる
  • Ascams.com Block
    IPレピュテーションスコアの確認ができる

もしブラックリストに登録されていることが確認されたら、ブラックリストから外してもらえるよう解除申請をします。上記にあげたもの以外でもブラックリストを公開している組織は複数あります。1つのブラックリストから解除されたとしても、それ以外のところに登録されている、もしくは再度登録されてしまったということもあります。バウンスレートが増えてきたと感じたら再度チェックをしてみてください。

なお、ブラックリストからIPアドレスが消えたタイミングで、一度バウンスになったメールアドレスをリセットし再送を試みます。Account Engagement では一度バウンスになったメールアドレスをリセットする機能があります。

なぜブラックリスト(SPAMリスト)に登録されるのか?

自社はスパムや迷惑メールに該当する内容を送っていないのに、なぜブラックリストに登録されてしまうのか。多くのマーケターは有用な内容を、必要とされる顧客にマーケティングを実施していると思います。

原因を一言で表すと、MAツールの大多数は共用のメールサーバーを使っているからです。送信IPを確認する際に xx.xxx.xx.x(Shared)と記載されている組織は共用メールサーバーから送信しているため、共用している誰かがスパムや迷惑メールに該当するメールを送信しており、そのため(自社は関係なくとも)ブラックリストに載ってしまうのです。

※自社専用のメールサーバーを用意することにより解決できますが、コスト面のハードルがあります。

バウンスコードの確認

次に確認するのはバウンスコードです。
Account Engagementは一般的なバウンスコードの一覧を確認できます。

Account Engagementのバウンスコード一覧はこちら
また、受信者のメールサーバーからのエラーメッセージの場合はそれぞれコードが違うのでやっかいですが、エラーコードのボリュームが大きいところから潰していくのも一つの手です。

メールアドレスの死活確認

メールアドレスがまだ使われているかどうか確認するのも効果的です。
無料のチェックツールもありますが、信頼性については自己判断でお願いします。
すでに使われていないメールアドレスが見つかったら営業さんに確認し、新たなメールアドレスを入手するなど、お客様に連絡をするきっかけにしても良いかもしれません。

また、大手企業によってはMAツールから配信されたメールを一括でブロックしている会社もあります。

まとめ

メールバウンスレートのしきい値を決め、一定以上に増加した場合は随時見直しが必要です。
せっかく送信するメールが正しく受信者に届くよう、定期的にリストのメンテナンスを実施するのが最も効果的です。

もし大量のハードバウンスに悩んでいる場合は、みらいマーケティングまでお気軽にご相談ください。バウンス理由毎に最適な復活方法や、到達率を向上させるための方策を一緒に考えましょう。

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